高速・高精度なマルチボディの弾性体接触解析
マルチボディソフト MotionView / MotionSolve 2022.1より弾性体接触解析が可能となりました。
拡張したモード法を採用することで、高速・高精度な弾性体接触解析を実現します。
本記事では、車体の底にある燃料タンクと路面の接触例を示します。使用したデータはこちら(モデル・結果)。
接触モードの予測計算
モデル:MS_tank_cms_predict.mdl
まずは、接触モードの予測計算を行います。
通常のCMS弾性体をFlexPrepで作成します(01_cms/tank_flex.h3d)。
MotionViewにてタンクのボディを弾性体として、先に作成したCMS弾性体のh3dファイルを読み込みます。
タンクのCMS弾性体と路面のBump間に接触を定義します。
弾性体の場合は、選択するグラフィックはありません。弾性体のシェル・ソリッドすべてが接触対象です。
剛体の場合は、接触するグラフィックを選択します。今回はBumpのグラフィックを選択します。
これで、弾性体と剛体の接触が可能となります。弾性体vs弾性体、弾性体vs剛体、剛体vs剛体すべての組み合わせが可能です。
タンクの弾性体ボディを再び選択し、Generate contact loadsetsにチェックを入れ、Loadset file:で書き出し先ファイルを指定します。
(2022.2で不具合があり、あらかじめ.lsfファイルを作成しておいて、そのファイルを選択する必要があります。)
これで、弾性体接触解析を行うと、.lsfファイルに接触荷重の情報が書き出されます。これを用いて、再度CMS弾性体を作成することで、接触モードを含むCMS弾性体を作成できます。
オフラインで計算を実行します。
弾性体のタンクとBumpが接触する様子が計算されますが、発生する応力はタンクの固有モードが励起されるような分布しか生じません。
接触モードを考慮した弾性体の作成
接触時の応力分布が正しく計算されるよう、接触モードを考慮したCMS弾性体を作成します(01_cms/tank_flex_contact.h3d)。
FlexPrepのComponent Mode Synthesis type:でCraig-Chang-Contact法を選択します。
追加メニューのInclude contact modes at rigidified nodes:が表示されますので、Include predicted contact loadsets:で先の計算で出力された.lsfファイルを指定します。
接触モードを考慮した弾性体接触解析
モデル:MS_tank_cms_contact.mdl
MotionViewにてタンクのボディの弾性体h3dファイル(tank_flex.h3d)を新しく作成したtank_flex_contact.h3dに変更します。
オフラインで計算を実行します。
弾性体のタンクとBumpが接触する様子が計算され、接触に応じた応力分布が生じます。
まとめ
- 通常のCMS弾性体を含む機構モデルを作成
- 弾性体に接触を定義
- 弾性体の接触荷重の書き出し指定.lsf
- .lsfを用いてCMS弾性体を再作成
- CMS弾性体を新しいものに入れ替えて解析
使用製品:Altair MotionSolve/MotionView
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