Inspire PolyFoam - 流体構造連成を考慮した発泡解析
ポリウレタンの発泡成形のプロセスでは、材料を注入後に金型が閉じるなどの動作を伴う発泡成形の製造が行われる場合が良くあります。そのようなプロセスの製品品質および金型設計を最適化するために、金型の動作を考慮する事は非常に重要になります。このような検討を設計早期段階で行うために、Altair Inspire PolyFoamのバージョン2022.3では流体構造連成(FSI)を考慮した発泡解析機能を新たに搭載しました。これを使用しますと、金型などの動作を考慮した形で発泡解析を実施出来ます。以下はこの新機能についての事例紹介になります。
Inspire PolyFoam 2022.3では、流体構造連成(FSI)解析で得られる結果は、主にウレタン溶液と構造の衝突領域、ウレタン溶液の漏れとあふれ、の2種類となります。
以下はプロセス条件、特に金型の型閉時間が上手く適用されている場合の簡単な事例です。
このアニメーションでは、金型が閉じる時間が6秒、10秒、14秒と異なっています。金型型閉時間が10秒を超えるとポリウレタンフォームのオーバーフローが発生します。
図1
次の事例のアニメーションはドアのモデルです。左から順に、8秒、11秒、14秒の間にグレー色の上型がそれに応じて下降していきます。11秒後に金型を閉じると、ウレタン溶液の漏れが発生していることが分かります。
図2
次のアニメーションは人が直接注入する場合を想像して作成した、より特殊な事例になります。ウレタンの注入後に、カップを移動・回転させながら製品に流し込んでいます。
図3
次の事例では、ウレタンをコンベア上に吐出して発泡する製造工程を想定したものです。連続発泡のシミュレーションを検討する事が可能です。
図4
発泡成形のプロセスでは、ツール側の動作を考慮した設計検討は非常に重要になります。このような動作はオーバーフローや漏れといった発泡成形の欠陥に直接の影響を及ぼすためです。Inspire PolyFoamが搭載した流体構造連成の発泡解析の新機能は、その様な検討を簡単に行う事が出来ます。