音響吸音要素 CAABSF, PAABSF の使い方


はじめに

音響空間の境界に、密度*音速のレジスタンス (インピーダンスの実部) を与えると、垂直波が反射しなくなることが知られてます。こんな風に。

無反射の例


このモデルを用いて CAABSF と PAABSF の使い方を説明します。


モデル概要

モデルの概要はこんな感じです。

モデル概要

管の長さは 2000mm, 材料は密度 1.2e-12 ton/mm^3, 音速 343000 で空気を模擬しています。

音響モデルだけで完結するために ACSRCE を使っていますが、もちろん音響構造解析モデルとしてもよいです。本記事の主眼ではないので、ここについては説明を割愛します。


CAABSF, PAABSF の使い方

CAABSF が要素 (シェル) で PAABSF がその特性となります。CAABSF 要素は、単に、音響のソリッド要素の表面の節点を使って、シェル要素を作るだけです。三角形、四角形、どちらにも対応しています。

CAABSF要素


普通にシェル要素作成すると CAUAD4, CTRIA3 になるので、CAABSF への変更の仕方はこちらの動画でどうぞ。


PAASBF はレジスタンス (インピーダンスの実部) とリアクタンス (インピーダンスの虚部) と周波数の関係を示すカーブを設定します。

PAASBF


今回のモデルでは、 TZREID レジスタンスのみ指定してあります。密度*音速 = 1.2e-12*343000 = 4.116e-7 です。カーブは TABLED1 ~ TABLED4 で指定します。

$--1----$--2----$--3----$
PAABSF         2       2  
$--1----$--2----$--3----$--4----$--5----$--6----                                            
TABLED1        2  LINEAR  LINEAR
+            0.04.116e-7100000.04.116e-7ENDT    


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