PGASK
バルクデータエントリ ソリッドガスケット要素のプロパティを定義します。
フォーマット
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) | (10) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
PGASK | PID | MIDG | MID1 | CORDM | H0 | GAP | VOID | LEAKP | |
STABMT | STABSP | GASK1D |
例
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) | (10) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
PGASK | 1 | 2 | 1 | 1 | 0.5 |
定義
フィールド | 内容 | SI単位の例 |
---|---|---|
PID | 固有のガスケット要素プロパティ識別番号。 デフォルトなし(整数 > 0) |
|
MIDG | ガスケットの厚さ方向と横せん断挙動を定義するMGASKエントリの識別番号。 デフォルトなし(整数 > 0) |
|
MID1 | ガスケットの膜特性と質量密度を定義するMAT1エントリの識別番号。 空白は、膜剛性、膜方向の線膨張係数と質量密度が0になることを意味します。 デフォルト = 空白(整数 > 0 、または空白) |
|
CORDM | 材料座標系識別番号。 3
(整数 ≥ -1) |
|
H0 | ガスケットの初期板厚。ガスケットの初期開口量と初期空白を含みます。 0.0または空白はガスケット要素の初期板厚を用いる事を意味します。 デフォルト = 0.0(実数 ≥ 0.0) |
|
GAP | たガスケットの初期開口ギャップ。 5 デフォルト = 0.0(実数 ≥ 0.0) |
|
VOID | たガスケットの初期空白ギャップ。 5 デフォルト = 0.0(実数 ≥ 0.0) |
|
LEAKP | 漏れ圧力 6 デフォルト = 1.0e-8(実数 > 0.0または空白) |
|
STABMT | 膜と横せん断安定化フラグ。 7
実数 > 0.0: 応力の単位で直接指定される安定化剛性。 実数 < 0.0: |実数|*(厚さ挙動の初期圧縮剛性)として選択される安定化剛性。 (整数) |
|
STABSP | すべての節点が支持されていないガスケット要素の安定化。 8
実数 > 0.0: 応力の単位で直接指定される安定化剛性。 実数 < 0.0: |実数|*(厚さ挙動の初期圧縮剛性)として選択される安定化剛性。 (整数) |
|
GASK1D | 1Dガスケット用のオプションを指定します(厚さ方向の挙動のみ)。9、10、 11
(整数) |
コメント
- すべてのガスケット要素プロパティエントリに固有の識別番号が必要です。
- PGASKは2つの材料エントリ、MGASKとMAT1を参照します。MGASKはガスケット材料の厚さ方向と横せん断方向の挙動を定義し、MAT1はガスケット材料の膜挙動を定義します。
板厚方向剛性は単位変位あたりの応力の単位で定義され(板厚圧縮の圧力-閉鎖距離関係)、横せん断剛性は単位変位あたりの応力の単位または単位面積当たりの力の単位のどちらかで定義され、膜剛性は単位面積当たりの力の単位で定義されます(応力-ひずみ関係)。
- ガスケット材料座標系は要素局所座標系(CORDM = -1)または事前定義された座標系(CORDM = 整数 ≥ 0)で定義できます。材料の局所3-方向はガスケットの板厚方向で、材料の局所1-方向と2-方向がガスケットの膜方向になります。板厚方向(材料の局所3-方向)とデフォルトの方向(要素の局所3-方向)の間の角度が20度より大きい時、警告が出されます。
- 初期板厚には、ガスケットの初期開口量と初期空白が含まれます。
- ガスケット要素の全閉鎖は、機械的閉鎖と温度による閉鎖からなります。
温度による閉鎖、 は次のように計算されます:
有効な閉鎖量、 は、MGASKカードで定義される表の載荷 / 除荷での圧力を決めるのに用いられ、次のように計算されます:
初期開口ギャップがない場合(GAP=0)、 と は同じです。
- ガスケットのシーリングの状態は漏れ圧力で検知されます。ガスケット圧力が漏れ圧力より大きい場合は、シールされているものと検知され、出力状態インデックスの値は1となります。そうでない場合は漏れていると検知され、出力状態インデックスの値は0となります。
- STABMTは、ガスケット膜または横せん断剛性が0の場合、1または0以外の実数値にすることをお勧めします。STABMT=1はSTABMT=-0.001と同じ効果です。すなわち、このタイプの自動安定化剛性は、厚さ挙動の初期圧縮剛性の0.1%です。
- ガスケット節点の一部がサポートされていない場合(一部が接触投影ゾーンの外側に広がっている場合など)、STABSPは1または0以外の実数値にすることをお勧めします。STABSP=1はSTABSP=-0.05と同じ効果です。すなわち、このタイプの自動安定化剛性は、厚さ挙動の初期圧縮剛性の5%です。
- 厚さ方向の挙動のみのガスケット要素の場合(GASK1D=1):
- 横せん断挙動と膜挙動に関して定義された構造特性は無視されます。これには、STABMT、STABSP、およびMIDGフィールドとMID1フィールドで定義された関連する比率や係数が含まれます。
- 3つ目の方向が厚さ方向に沿った局所座標系によって、各ガスケット節点(GRIDのCDフィールド)の変位座標系が上書きされます。単点拘束を適用(SPCエントリなどを使用)する場合、成分‘3’は、GRIDエントリに割り当てられた元のCDフィールドに関係なく、常に、厚さ方向を表します。
- 厚さ方向の挙動のみのガスケット要素(GASK1D=1)は、他のタイプの要素(全方向挙動のガスケット要素(3Dガスケット)など)と節点を共有できません。残りの構造と結合するには接触が必要です。一部のルールと制限事項を以下に示します:
- 厚さ方向の挙動のみのガスケット要素は、二次側としてのみ機能する必要があります。
- 微小スライディングの節点-サーフェス間(N2S)接触のみがサポートされています。
- 摩擦係数は無効です。タイプがSTICKまたはFREEZEの場合は、接線剛性が無効になります。
- 継続エントリはオプションです。
- このカードは、HyperMesh内のプロパティとして表現されます。