NLPARM
バルクデータエントリ 非線形静解析、非線形過渡解析、および非線形熱伝導解析のソリューションコントロール用のパラメータを定義します。
フォーマット
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NLPARM | ID | NINC | DT | MAXITER | CONV | ||||
EPSU | EPSP | EPSW | MAXLS | LSTOL | |||||
TTERM | MAXAUG |
例
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NLPARM | 99 | 5 |
定義
フィールド | 内容 | SI単位の例 |
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ID | それぞれのNLPARMバルクデータカードには固有のIDが必要です。 デフォルトなし(整数 > 0) |
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NINC | 陰解法荷重のサブ増分の回数。 2 非線形静解析、非線形過渡解析、非定常電熱解析の場合デフォルトは1(インクリメント1)です。 (整数 > 0) |
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DT | 初期荷重増分。 4 デフォルト = 空白 (実数 > 0.0) |
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MAXITER | それぞれの荷重増分における陰解法の反復計算回数の制限(非線形静解析、非線形過渡解析、非線形熱伝導解析の場合)6、 12 デフォルト = 25 (整数 > 0) |
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CONV | 陰解法収束基準フラグ。 3 非線形静解析および非線形過渡解析の場合、デフォルト = UPW (U、P、Wの任意の組み合わせ) |
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EPSU | 変位(U)の基準に関する許容誤差。非線形伝熱解析の場合、これは温度に対する許容誤差範囲を表します。 3 デフォルト = 1.0E-3(実数 > 0.0) |
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EPSP | 構造解析における荷重(P)の基準に関する許容誤差。非線形伝熱解析の場合、これは荷重に対する許容誤差範囲を表します(これは構造解析でのエネルギー項と同様に考えることができ、残差*温度で表されます)。 3 デフォルト = 1.0E-3(実数 > 0.0) |
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EPSW | 構造解析における仕事(W)の基準に関する許容誤差。非線形伝熱解析の場合、これは仕事に対する許容誤差範囲を表します(これは構造解析でのエネルギー項と同様に考えることができ、残差*温度増分で表されます)。 3 デフォルト = 1.0E-7(実数 > 0.0) |
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MAXLS | MAXLSを正の整数値に設定すると、ライン検索の手法がアクティブになります。MAXLSは、微小変位非線形静解析(NLSTAT)での反復ごとに許可されるライン探索の最大数を指定します。 7 デフォルト = 0(整数 > 0) |
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LSTOL | ライン検索のトレランス。 デフォルト = 1.0E-3(実数 > 0.0) |
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TTERM | 終了時間。 4 5 デフォルト = 1.0 (実数 > 0.0) |
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MAXAUG | 非線形接触で拡張ラグランジュ未定乗数法がアクティブな場合に、各時間増分内で許容される拡大数。 12 デフォルト = 50 (整数 > 0) |
コメント
- NLPARMバルクデータエントリは、サブケース情報コマンドNLPARM=optionによって選択されます。非線形静解析を実行したいサブケースごとにNLPARMまたはNLCTRLコマンドが必要です。非線形過渡解析では、NLPARM、NLCTRL、TSTEPNLの3つのエントリのいずれかが必要です。さらに、最初の2つのエントリには、TSTEPエントリも必要です。
- 非線形静解析(ANALYSIS = NLSTAT)の解法は完全ニュートン法です。剛性マトリックスは、反復計算ごとに更新されます。NINC > 0は、指定されたサブケース内の全荷重を等しく分割する分割数を表します。NINCが空白の場合、指定されたサブケースの全荷重が一度に適用されます。最後の荷重に到達するまで、連続する荷重レベルに対してニュートン法が適用されます。
- 精度を上げるために、3つすべての収束基準がデフォルトとして設定されます。いずれかの収束基準が除外された場合は、結果の精度が変わる可能性があります。収束基準の詳細については、ユーザーズガイドの非線形収束基準をご参照ください。
非線形熱伝導解析(定常状態と過渡状態の両方)では、温度増分と残差の値がゼロになると(基本的には対応する誤差項EPSU、EPSP、およびEPSWの値が、ここで定義された許容値を下回ると)、収束が生じます。非線形熱伝導解析のEPSPおよびEPSWの場合、残差に温度(または温度増)を乗算することで、構造解析におけるエネルギーに相当すると見なすことのできる項を表します。これらは、熱伝導解析のエネルギー保存式に適用された場合、仮想変位の原理における等価エネルギーの形式に対応します。これらの項がゼロになると、平衡に達します。
- DTが指定されている場合、NINCフィールドは不要であり、無視されます。DTが指定されていない場合、デフォルトの初期荷重増分はTTERM/NINCと等しくなります。DLOADサブケース情報エントリは、NLSTATサブケースでTLOAD1バルクデータエントリを参照するために使用できます。これにより、TLOAD1エントリ上のTIDフィールドを使用した、ユーザー定義の荷重曲線の指定が可能になります。TIDフィールドは、EXCITEIDフィールドで指定されている荷重をスケーリングする、時間(X)と荷重スケールファクター(Y)の関係を参照します。DT、TTERM、およびNINCが指定されていない場合、デフォルトの初期荷重増分は1.0(つまり、TTERM/NINCがそれぞれ1.0/1.0)と等しくなります。
- NLPARMのTTERMは、サブケース時間(総時間ではなく)として入力されます。例えば、複数のサブケースセットアップで、サブケース3が2.0から始まり、これを3.0に終了させたい場合は、サブケース3のTTERMを1.0に設定します(サブケース時間に基づくため)。
- MAXITERは以下でサポートされます:
- 大変位非線形解析( NLSTATと 非線形過渡解析の両方)
- PARAM,EXPERTNL,NOが指定された微小変位非線形解析( NLSTATと 非線形過渡解析の両方)
- 非線形熱伝導解析(NLHEAT、定常状態と過渡状態の両方)注:
- 上記の(b)と(c)では、反復回数がMAXITERに達すると実行が終了しますが、(a)では終了しません。(a)では、MAXITERが考慮され、特定の荷重増分で反復回数がMAXITERに制限されます。
- 非線形接触で拡張ラグランジュ未定乗数法がアクティブな場合、時間増分の各拡張でMAXITERが考慮されます。
- PARAM,EXPERTNL,AUTO/YESを指定した微小変位非線形解析(NLSTAT, DTRAN非線形)では、反復回数がMAXITERに達してもEXPERTNLによる解析を継続できます。
- MAXLS=0の場合、微小変位非線形静解析(NLSTAT)用の“エキスパートシステム”によってもライン探索をアクティブにできます。詳細については、PARAM, LSNLEXPをご参照ください。
- PARAM,EXPERTNL,AUTO/YESと他の非線形コントロールとの相互作用の詳細については、ユーザーズガイドの非線形静解析をご参照ください。
- その他の収束基準はNLADAPTバルクエントリを介して定義されます。NLPARMバルクデータからのUPW基準に加えて、このような収束基準(NLADAPT,ERRINF,MAXなど)を満たす必要があります。
- NLPARMバルクデータおよびサブケース情報エントリーの代わりに、 NLCTRLバルクデータおよびサブケース情報エントリーを使用して、陰解法非線形収束基準を制御する別の方法として使用することができます。NLPARMとNLCTRLの両方を、同じ陰解法非線形サブケースで一緒に指定することはできません。
- 陰解法非線形サブケース、増分、ニュートンラプソン反復の詳細な収束チェック情報は、 _nl.outファイルに出力されます。非線形解析の実行情報をチェックし、陰解法非線形解析ジョブの進行状況を監視するための追加オプションは、ユーザーズガイドの実行時監視に記載されています。
- 拡張ラグランジュ未定乗数法の詳細については、ユーザーズガイドの拡張ラグランジュ未定乗数(ALM)法(非線形解析)をご参照ください。
- HyperMeshでは、このカードは荷重コレクターとして表されます。