DSHAPE
バルクデータエントリ 従来の、および節点ベースのフリー形状設計変数のパラメータを定義します。
フォーマット1(従来)
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) | (10) |
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DSHAPE | ID | TYPE | |||||||
PERT | DTYPE | MVFACTOR | NSMOOTH | MXSHRK | MXGROW | SMETHOD | NTRANS | ||
GRID | GMETH | GSETID1/ GID1 |
GID2/ GSETID2 |
GID3/ GSETID3 |
GID4/ GSETID4 |
GID5/ GSETID5 |
GID6/ GSETID6 |
||
GID7/ GSETID7 |
GID8/ GSETID8 |
同様 | 同様 | ||||||
PATRN | TYP | AID/ XA |
YA | ZA | FID/ XF |
YF | ZF | ||
DRAW | DTYP | DAID/ XDA |
YDA | ZDA | DFID/ XDF |
YDF | ZDF | ||
DRAFT | |||||||||
EXTR | ECID | XE | YE | ZE | |||||
GRIDCON | GCMETH | GCSETID1 / GDID1 |
CTYPE1 | CID1 | X1 | Y1 | Z1 | ||
GCMETH | GCSETID2 / GDID2 |
CTYPE2 | CID2 | X2 | Y2 | Z2 | |||
同様 | 同様 | ||||||||
SDCON | SDCID1 | XL1 | XU1 | YL1 | YU1 | ZL1 | ZU1 | ||
SDCID2 | XL2 | XU2 | YL2 | YU2 | ZL2 | ZU2 | |||
同様 | 同様 | ||||||||
BMESH | BMID | ||||||||
FSSPLIT | SPLIT |
フォーマット2(節点ベース、頂点モーフィング)
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) | (10) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
DSHAPE | ID | TYPE | |||||||
GRID | GMETH | ID1 | ID2 | ID3 | ID4 | ID5 | ID6 | ||
ID7 | ID8 | 同様 | 同様 | ||||||
PATRN | TYP | AID/XA | YA | ZA | FID/XF | YF | ZF | ||
SID/XS | YS | ZS | |||||||
BOUND | TOTAL/MESHF | LB | UB | GSETID | DIRECTION | ||||
FILTER | FTYPE | RADIUS | |||||||
BOUNDARY | BTYPE/SETID | SKIP | |||||||
GRIDCON | GCMETH | GCSETID1 | CTYPE2 | CID1 | X1 | Y1 | Z1 | ||
同様 | GCMETH | GCSETID2 | CTYPE2 | CID2 | X2 | Y2 | Z2 | ||
同様 | 同様 | ||||||||
BMESH | BMID | ||||||||
SMOOTH | METHOD | NLAYER | TRANS |
定義
フィールド | 内容 | SI単位の例 |
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ID | それぞれのDSHAPEカードには固有のIDが必要です。 デフォルトなし(整数 > 0) |
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TYPE | フリー形状最適化タイプ。
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PERT | 摂動情報が次に続くことを示します。 | |
DTYPE | フリー形状の変化の方向のタイプ。
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MVFACTOR | 設計グリッドの移動ファクタの初期制限。MVFACTORの単位は、GRIDの後に定義されたグリッドに隣接するメッシュの平均サイズです。 設定できるのは、この制限の初期値のみです。続く最適化反復での値は、反復の安定性強化と収束速度から自動的に調整されます。しかし、初期制限より大きくなることはありません。 デフォルト = 0.5 (実数 > 0.0) |
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NSMOOTH | グリッド層の数NSMOOTH。 デフォルト = 10(整数) |
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MXSHRK | 最大縮小距離。 デフォルト値はありません。 |
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MXGROW | 最大拡張距離。 デフォルト値はありません。 |
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SMETHOD | メッシュスムージングの方法。 方法1の方が方法2よりも速いものの、方法2の方がメッシュの歪みを回避するにあたってよりロバストです。 デフォルト = 1(1または2) |
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NTRANS | 非設計領域への遷移ゾーン内のグリッド層の数。ここで滑らかな遷移を作り出すために付加的な取り扱いが適用されます。 1 デフォルト = 0(整数 ≥ 0) |
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GRID | 節点IDまたは節点セット(GMETHフィールドの値に応じて異なります)のリストが次に続くことを示します。これらのグリッドはフリー形状最適化の設計変数となります。 | |
GMETH | 節点が以下によって定義されるかどうかを示すフィールド。
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GID# | グリッド識別番号。DSHAPEカードを定義する対象となる節点のリスト(GMETHフィールドをIDに設定している場合にのみ有効)。 デフォルトなし(整数 > 0) |
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GSETID# | グリッドのSETの識別番号。フリー形状最適化用の設計節点が含まれた節点セット(GMETHフィールドをSETに設定している場合にのみ有効)。 デフォルトなし(整数 > 0) |
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ID# | 識別番号。節点ベースのフリー形状最適化でGMETHフィールドの値に依存する識別番号のリスト。 デフォルトなし(整数 > 0) |
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PATRN | 変数パターングルーピングがアクティブであることを示します。パターングループに関する情報が次に続くことを示します。 | |
TYP | 変数パターングルーピングタイプ。何らかの対称性、または変数パターングルーピングを望む場合、これは必須です。 1
1平面に対する対称性は、CLASSICとVERTEXMの両方でサポートされます。 2平面と3平面に対する対称性は、VERTEXMでのみ使用できます。 (整数) |
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AID/XA, YA, ZA | 変数パターングルーピングのアンカー節点。 これらのフィールドは、グリッドが変数にどのようにグループ化されるかを決定するポイントを定義します。 1 ポイントは、SIDフィールドにグリッドIDを入力するか、またはXS、YS、ZSフィールドにX、Y、Zの座標を入力することによって定義することができます。これらの座標は全体座標系です。 デフォルト = 原点(3つすべてのフィールドに実数、またはAID/XAフィールドに整数) |
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FID/XF, YF, ZF | 変数パターングルーピングにおける最初のベクトルの方向。これらのフィールドは、グリッドが変数にどのようにグループ化されるかを決定するポイントを定義します。 1 X、Y、およびZ座標は全体座標系です。 FIDが定義された場合、グリッドAIDまたは点(XA, YA, ZA)からグリッドFIDを指すベクトルを定義します。 XF、YF、ZFが定義されている場合、点(XA, YA, ZA)から点(XA+XF,YA+YF,ZA+ZF)を差すベクトルを定義します。(XA, YA, ZA)は、AIDまたはXA、YA、ZAで定義されるアンカーポイントの座標です。 これらのフィールドがすべて空白で、TYPフィールドが空白でもゼロでもない場合、OptiStructはエラーを返します。 デフォルト値はありません。 |
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SID/XS, YS, ZS | 変数パターングルーピングにおける2つ目のベクトルを決定するために使用される方向。 1 これらのフィールドは、xyzベクトルを定義します。これらと1つ目のベクトルとを組み合わせると、平面が形成されます。2つ目のベクトルは、その平面上に存在し、第1ベクトルと垂直となるように計算されます。グリッドをどのように変数にグループ化するのかを決定するために、2つ目のベクトルが必要となる場合があります(コメント3をご参照ください)。X、Y、およびZ値は全体座標系です。 SID/XSフィールドにグリッドIDを設定し、2つ目のベクトルを定義することができます。このベクトルは、アンカーポイントからこのグリッドに対するベクトルとして定義されます。 これらのフィールドがすべて空白で、TYPフィールドに20以上の値が含まれている場合、OptiStructはエラーを返します。 デフォルト値はありません。 |
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DRAW | 鋳造制約条件が適用されることを示します。型抜き方向の情報が次に続くことを示します。設計グリッドがソリッド要素の場合のみ有効です。 | |
DTYP | 型抜き方向制約条件タイプ
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DAID/XDA, YDA, ZDA | 型抜き方向のアンカーポイント。これらのフィールドは、鋳造の型抜き方向のアンカーポイントを定義します。ポイントは、DAIDフィールドにグリッドIDを入力するか、またはXDA、YDA、ZDAフィールドにX、Y、Zの座標を入力することによって定義することができます。これらの座標は基準座標系です。 デフォルト = 原点(3つすべてのフィールドに実数、または最初のフィールドに整数) |
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DFID/XDF, YDF, ZDF | 型抜き方向定義のベクトルの方向。これらのフィールドではポイントを定義します。このベクトルは、アンカーポイントからこのポイントに対するベクトルとして定義されます。ポイントは、DFIDフィールドにグリッドIDを入力するか、またはXDF、YDF、ZDFフィールドにX、Y、Zの座標を入力することによって定義することができます。これらの座標は基準座標系です。 デフォルトなし(3つすべてのフィールドに実数、または最初のフィールドに整数) |
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DRAFT | 抜き勾配(単位は度)。 2 デフォルト = 0.0、(0.0 ≤ 実数 < 90.0) |
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SDCON# | 側面制約条件が適用されることを示します。 | |
SDCID# | 下記のXL#、XU#、YL#、YU#、ZL#、またはZU#の成分を決定する座標系のID。 | |
XL#, XU#, YL#, YU#, ZL#, ZU# | 座標の下限および上限によって定義される側面制約条件。設計グリッドの移動空間を制限します。6つのフィールドはいずれも空にすることができます。その場合は対応する座標が制約されないことを意味します。 | |
EXTR | 押し出し制約条件が適用されることを示します。押し出し情報が次に続くことを示します。設計グリッドがソリッド要素の場合のみ有効です。 | |
ECID | 下記のX、Y、およびZ成分の解決先となる座標系のID。 Free-Shape 9.0では、次の2つの簡単な押し出しパスのみが考慮されます:
デフォルト = 0(整数 > 0) |
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XE, YE, ZE | ECIDが直交座標系のIDの場合、X、Y、およびZは押し出しパスを定義するEID座標系下のベクトルの成分です。 | |
GRIDCON | 制約条件が関連付けられたグリッドのリストが次に続くことを示します。 注: スムージングゾーン内のグリッド(NSMOOTHで定義)はフリー形状最適化の最中に移動します。これは、モデルの形状を変更せずにメッシュの歪みを回避するためです。ユーザーはGRIDCONを使用してこれらのグリッドの移動を制約することができます。これは、GRIDの後にグリッドが定義されていない場合でも同様です。 |
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GCMETH | グリッドのリストが以下によって定義されることを示します:
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GCSETID# | グリッドSETの識別番号。あらかじめ定義された動きをするように制約されている特定のグリッドSETのID。 デフォルトなし(整数 > 0) |
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GDID# | あらかじめ定義された動きをするように制約されている特定のグリッドのID。 デフォルト値はありません(整数 > 0、GRIDフラグに続くリストにもIDが含まれている必要があります) |
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CTYPE# | グリッドGDID#に適用される制約のタイプ。
デフォルト値はありません。 |
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CID# | 下記のX、Y、およびZ成分の解決先となる座標系のID。 デフォルト = 0(整数 ≥ 0) |
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X#, Y#, Z# | ベクトルのX、Y、Z成分。このベクトルは、GDID#のグリッドの移動を制約付ける方向を定義するか、またはGDID#のグリッドが留まるように制約付ける平面の法線を定義するものです。 デフォルト = 0.0(実数) |
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BMESH | BMFACE IDが次に続くことを示します。 | |
BMID | QUADおよび / またはTRIAのリストを定義するBMFACE ID。これは、形状最適化の最中に設計サーフェスが貫通しないようにするためのバリアを定義するものです。 | |
FSSPLIT | DSHAPEによって参照されるフリー形状設計空間内の設計グリッドが、それらの法線の向きに基づいて複数のDSHAPEに分割されることを示します。 | |
SPLIT | このDSHAPEエントリでの設計グリッドの分割を制御します。
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BOUND | 形状変数の制限値が次に続くことを示します。 | |
TOTAL/MESHF | 制限値の設定方法を示す文字フラグ。
デフォルト値はありません。 |
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LB | 形状設計変数の下限値。 デフォルト値 = -5.0* 平均メッシュサイズ TOTALが指定されている場合、(空白、実数 ≤ 0.0) MESHFが指定されている場合、(空白、実数 ≥ 0.0) |
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UB | 形状設計変数の上限値。 デフォルト値 = 5.0* 平均メッシュサイズ (空白、実数 ≥ 0.0) |
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GSETID | (オプション)限界値の定義対象:
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DIRECTION | 制限値の適用対象。
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FILTER | 節点形状感度のフィルタリングオプションが次に続くことを示します。 3 | |
FTYPE | 節点形状感度のフィルタリングタイプ。これは節点形状感度スムージングの方法を示します。
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RADIUS | 感度フィルタリング半径。これは、設計領域の平均メッシュサイズに基づいた適切な値である必要があります。フィルタ半径は、平均メッシュサイズと比べて小さすぎず、設計領域全体と比べて大きすぎないことが推奨されます。 2 デフォルト = 4* 平均メッシュサイズ(実数 > 0.0) |
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BOUNDARY | 設計領域の境界情報が次に続くことを示します。 | |
BTYPE | シェル設計領域の境界処理タイプ。
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SETID | 非設計グリッドのセットを含むグリッドSET識別番号。 デフォルトなし(空白または整数 > 0) |
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SKIP | 設計領域からの除外。このパラメータは、特定の節点を設計領域から除外するようにOptiStructに指示します。
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SMOOTH | メッシュスムージング法のパラメータが続くことを示すフラグ。 | |
METHOD | メッシュスムージングの方法。
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NLAYER | メッシュスムージングのためのグリッド層の数。
デフォルト = 10(整数 > 0、またはALL) |
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TRANS | 非設計領域への移行ゾーンを示すフラグ。
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コメント
- NTRANSオプションは、設計領域と非設計領域間での滑らかな遷移を可能にします。ただし滑らかさが向上すると、必然的に設計の柔軟性が低下します。NTRANSは、設計の柔軟性を犠牲にして、設計領域と非設計領域間の遷移ゾーンでの設計の滑らかさを向上させます。
NTRANSのしくみの詳細については、ユーザーズガイドのフリー形状設計領域の定義をご参照ください。
- 図 1に示すように、DRAFTフィールドを使用して、抜き勾配を度単位で指定できます。抜き勾配をアクティブにすると、幾何学的制約条件(GRIDCONとSDCON)が満たされない場合があります。
図 1.
- サーフェス上の節点と内部領域内の節点を設計節点として定義する必要があります。
- 指定された設計節点についての感度フィルタリングで、ソルバーはその節点周辺の設計節点のみを考慮しますが、考慮対象となる節点からこの指定された節点までの距離は、RADIUSで指定された半径以内です。RADIUSは、最終的な形状設計にとって非常に重要です。RADIUSの値が小さいと、形状変化は大きくなるため、モデルの局所的な形状変化が大きくなります。
- 指定された設計節点について、その節点のスムージングされた感度は(
)であり、 ここで、フィルタリング係数はFTYPEに基づいて計算され、図 2は、各FTYPEのフィルタ係数曲線を示しています。一般に、この指定された節点におけるフィルタリング係数は1.0であり(この節点は中心にあるため)、RADIUSで指定された半径の外側にある節点のフィルタリング係数は0です。
- 節点#iにおけるフィルタリング係数
- 節点#iにおける感度
図 2. - 複数の結合されていない設計パッチについては、結合されていないパッチごとに別個のDSHAPEを定義することが推奨されますが、結合されている複数の設計領域に対して複数のDSHAPEカードを定義することは推奨されません。
- BOUND継続行のLBとUBは、設計グリッドの合計の大きさに適用されるのではなく、各設計変数に適用されます。これは、合計の大きさが制限値を超える可能性があることを意味します。
- 設計領域では、メッシュが細かくて設計節点が多いほど、最適化にかかる計算時間は長くなります。
- 1平面の対称性(TYP = 10)の場合:対称面は、1つ目のベクトル(FID/XF、YF、ZF)に対して垂直に定義され、アンカー節点(AID/XA、YA、ZA)に配置されます。
図 3. 1つ目の対称面の定義 - 2平面の対称性(TYP = 20):
1つ目の対称面(Plane 1)は、1つ目のベクトル(FID/XF、YF、ZF)に対して垂直に定義され、アンカー節点(図 3)に配置されます。
2つ目の対称面(Plane 2)を取得するには、SID/XS、YS、ZSで定義されたベクトルを取得して、それをplane 1に投影することによって2つ目のベクトルが計算されます。2つ目のベクトルの定義に節点が使用された場合、2つ目のベクトルは、アンカーノードから投影された節点に向かうベクトルとなります。2つ目のベクトルの定義にベクトルが使用された場合、投影されたベクトルのベースはアンカーポイントに置かれます。2つ目のベクトルはplane 2に対して垂直です(図 4)。
TYP = 20は、VERTEXMにのみ適用できます。図 4. 1つ目と2つ目の対称面の定義 - 3平面の対称性(TYP = 30):
1つ目と2つ目の対称面(Plane 1とPlane 2)は、前述のように決定されます。
Plane 3は、Plane 1とPlane 2の両方に対して垂直になるように決定されます(図 5)。
TYP = 30は、VERTEXMにのみ適用できます。図 5. 1つ目、2つ目、および3つ目の対称面の定義
- 1平面の対称性(TYP = 10)の場合:
- HyperMeshでは、このカードは最適化の設計変数として表されます。