SimSolidの解析では、ジオメトリインポート設定、結合設定、ソリューション設定が非常に大事になってきます。
これらの設定をうまく設定することで、SimSolidを用いて従来の有限要素と同精度の解析が行えます。
今回はソリューション設定について詳細に解析していきたいと思います。
(画像はクリックすると拡大します。)
その他の設定はこちら
ジオメトリインポート設定→SimSolidのジオメトリインポート設定について
結合設定→SimSolidの結合設定について
以下三つの目標があります。
v2022.3.1まで
ではこれは何かというとヘルプにもありますが、ざっくりと
剛性アダプティブ→全体の挙動を早く簡単にざっくりとみる場合
応力アダプティブ→通常の解析を行う場合
となります。つまりデフォルトでは応力アダプティブ推奨となります。
ではカスタムは?となりますが、実は、剛性アダプティブ、応力アダプティブはカスタムで設定できる様々な値のプリセットとなります。
どんなプリセット値となるかは、応力アダプティブ(もしくは剛性アダプティブ)とし、そのままカスタムとすることで確認できます。
v2023以降では設定が以下のように変更になります。(Global、Global+Localはプリセット値です。)
Global→全体の挙動を早く簡単にざっくりとみる場合
Global+Local→通常の解析を行う場合
となります。つまりデフォルトではGlobal+Local推奨となります。
また、大きな変更点としてGlobal+Localで自動パート分け機能が追加されています。
ここで、ソリューション設定には大きく分けて3つの設定項目があるのに気が付きましたでしょうか。
次にこれらの設定について詳しく説明していきます。
この設定はアセンブリ全体に適用される設定になります。
SimSolidは理論的に境界に誤差を持ちます。つまり従来の有限要素法と違い完全固定面が0となりません。
ただし、工学的に無視できるほど小さな値となります。以下の図では完全固定面の変位が10-7mmと無視できる値です。
この誤差を小さくするよう、SimSolidでは「誤差解析→誤差が少なるように形状関数などを変化→再解析」というアダプティブ計算を実行しています。
この設定でアダプティブ計算の回数を制御できます。
回数を上げていき、収束を確認するのが良い使い方となります。ただし、むやみに上げればいいというわけではなく、7、8回のアダプティブ計算は結合部にノイズが発生することがあり、非推奨となります。
また、以下画像から、アダプティブ計算数により変形挙動は変わらないもの、応力は4回のアダプティブから収束傾向にあることがご確認いただけると思います。
アダプティブ計算数を7、8にすると接続部に対してノイズが発生するので、絶対に使用しないでください。
グループでは、パートグループを作成することができます。
このグループはSimSolidが同一のスケールを適用するパート群になります。
したがってパートに対する設定となり、小さいパートと大きなパートが同一のグループにある際は、
小さなパートに対しても、大きなパートと同じスケールで扱われるので、小さなパートが無視されるような結果となります。
従来の有限要素法に当てはめる場合、同じ要素密度とするパート群ということになります。
以下パートに対して、グループを分けます。
v2023のGlobal+Local設定では相対体積率による自動パート分けが行われます。
したがって、より細かいパートの応力や応力集中がよく表現できるようになります。
設定では、パートグループのフィーチャーに対する設定を行います。
SimSolidはフィーチャーに対して自由度を配置しますが、この自由度の配置や数、定義する関数などを制御します。
これは、穴が多数あったり、複雑な形状のパートの応力集中に対して効果を発揮します。
これは、薄く、曲がっているパートに対して効果を発揮する設定です。
フィーチャに対する自由度の密度を定義します。
薄く、曲がったパートや応力集中を見たい、より高精度な評価がしたいパートグループなどには、高とした方が良いです。
ただし高とすることで、計算コストは増えます。
※ジオメトリが正しく読めており、結合が正しく設定されている必要があります。
本記事では一部SimSolidの理論に触れた説明もありました。
SimSolidの理論的背景に関しては以下のリンクをご参照ください。