SimSolidで落下解析にトライ


はじめに

SimSolidはCADデータを読み込めばメッシュ作成することなく迅速に解析できます。

しばしば、SimSolidで落下解析はできないか、という問い合わせをいただくことがあります。

そこで、Radiossで落下解析を実施し、剛体壁の反力の0.5倍を荷重として、SimSolidで過渡応答解析を実施し、応力分布を確認します。

本格的な落下解析をする前のあたりづけとして使うことを目的とします。

右側の添付ファイルに使ったファイルがあります。

解析モデル

以下のようにスマートフォンのカバー2部品を固着接触したものを対象としています。

Radiossの剛体壁反力の0.5倍をSimSolidの過渡応答解析の荷重として適用します。剛体壁反力を0.5倍する理由は、運動量保存の法則から、衝突後の運動量は受ける力積の0.5倍となるためです。Radiossの生のRWforceにRWforce_filter.png、RWforce.xlsxのようにフィルタを適用しています。

SimSolidの過渡応答解析に先立って、固有値解析を50モード出力(4500Hz程度)として実施しています。現象時間が4e-4secであり、これを1周期とする振動周波数は2500Hzのため、これよりも十分に高い周波数成分が必要になります。50モード出力と100モード出力とでほぼ同様の結果だったため、50モードを採用しています。

解析結果

以下に解析結果を示します。

SimSolidで変形が最大となる1.8e-4secのミーゼス応力コンターと変形を倍率3倍として表示しています。

赤い矢印におけるミーゼス応力の時刻歴(303128vonmises.xlsx)では、ある程度Radiossの傾向をとらえています。

 

まとめ

利点

・モデル準備時間と計算時間の削減。特にケース数が多い場合は有効になりそうです。

制限事項と課題

・弾性材料のみ対応

・変形にともなう接触範囲の変化は再現できない

・事前に接触反力を準備する必要がある