Altair Inspireを使い始める時に


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目次

HyperMesh? SimLab? Inspire? (SimSolid?)

アルテアのプリ/ポスト製品にはHyperMesh SimLab Inspireの3製品があります。
それぞれの製品に特長があり、業務にあった製品を使うことで効率よく業務を行うことの鍵になります。
以下に製品の特長を示します。

ここから以下のことが言えます。

これら3製品は同じGUIを備え、Inspire→SimLab→HyperMeshとモデルの受け渡しが可能です。したがって製品開発のすべての段階で弊社製品をシームレスに使用することができます。
また、SimSolidというメッシュレスによる高速設定と高速解析にをもとに高速に設計反復を行えるツールもあります。正しく設定することで有限要素法での解析と同程度の解を得ることができるため、設計初期段階から検証段階において、様々なご業務でお使いいただけます。

設計者向けCAEプラットフォーム Altair Inspire

設計を終わらせた後出図まで行う期限はタイトで、設計者の方は常に時間と戦っています。製品開発ではよく下図にあるV字プロセスをもとに、設計の各プロセスを検証します。
V字プロセスの右側で再検討が必要となった場合、周辺部品との兼ね合いを考慮しつつ、スペースの確保や対策案の検討等、再設計に膨大な時間を費やすことになります。
V字プロセスの左側の検討段階で、質量や性能、生技要件といった検討を十分に行うことで出図後の手戻りを減らす必要があります。

Inspireでは設計の検討段階で、シミュレーション駆動の設計(SimlationDrivenDesign)を実現するためのツールです。
質量や性能や生技要件をシミュレーションを行いながら設計案を評価し、改善することでことができます。
また、最適化や設計探索を行うことで、迷わず最適な設計にたどりつくことができます。

Inspireの機能

ジオメトリ&レンダリング


パラメトリックサーフェースとソリッドにより一般的なCADのようにスケッチやモデリングを行えます。
PolyNURBSにより最適化形状を滑らかなCAD形状に変換できます。鋳造や3Dプリンターでの製造でのモデリングに向いています。
メッシュやstlといったファセットを取り扱えます。stlを修正したりや直接解析したりできます。
複雑なラティス構造や繰り返しパターンをインプリシットにより作成することができます。
また、レンダリング機能を備えており、製品を魅力的に伝えることができます。
インプリシットモデリングに関しては以下動画をご参照ください

設計者に使いやすい物理シミュレーション

Inspireはアルテアの実績のある各ソルバーを使用しやすい形で実装しています。
OptiStructを用いた有限要素法による構造解析、SimSolidを用いたメッシュレスの高速大規模構造解析、MotionSolveを用いた機構解析、独自の高速ソルバーを用いた流体解析を行えます。

ジェネレーティブデザイン

Altair OptiStructの最適化を使いやすい形で実装しています。

  • トポロジー最適化

    想定される荷重や拘束条件、および、実現すべき強度や特性などの制約条件の下で最適な材料の配置(レイアウト)を創出するCAEテクノロジーです。
    既存部品の材料コストの低減や軽量化を行うことができ、斬新な設計(デザイン)の創出が得意です。

  • トポグラフィー最適化
    設計領域におけるビードまたはスエージを作成する高度な形状最適化のひとつです。
    このアプローチは、質量を増やすことなく部品の剛性を最大化するのに最も適しています。板金部品の設計向けの機能です。
    目標は剛性の最大化か共振周波数の最大化を行うことができ、同じ性能に対して、基本板厚を薄くすることが可能なため軽量化をすることができます。
  • 板厚最適化
    板金部品や薄肉パート等の板厚を自動的に調整することができます。
    パート毎に板厚を変えながら、性能目標値を満たす最も軽い板厚の組み合わせを算出します。
    また、板厚最適化はトポグラフィー最適化と組み合わせることが可能です。
  • PolyNURBS最適化
    PolyNURBS機能でモデリングされた形状をパラメトリックに最適化できる機能です。
    PolyNURBSのコントロールポイントを選択し、最適化の対象領域を設定します。
    最適化を実行すると、コントロールポイントの位置を変更しながら、PolyNURBS形状を変形します。
    最適化の制約条件を満たす最軽量の形状を作成し、CAD形式(IGES, STEP, Parasolid, など)に保存することができます。

またHyperStudyとInspireのジオメトリ編集機能を組み合わせるた、設計探索という機能があります。
ジオメトリを直接駆動できるInspireの設計探索は以下のような利点があります。

  • 大きな変形が可能
    メッシュモーフィングの場合、大きな形状変更を行うとメッシュがつぶれてしまい、計算精度が落ちて計算が出来なくなる場合もあります。
    Inspireの場合は、CADモデルを変更するのでメッシュ品質には影響がありません。
  • トポロジーの変更が可能
    メッシュモーフィングの場合は、形状フィーチャの寸法を変更することが可能ですが、フィーチャーの追加・削除が不可能です。
    ボルト・ねじ穴の数を変更、補強リブの数の変更などが可能になります。
  • 結果はすぐに使えるCADデータ
    メッシュモーフィングの場合は最適化の結果が反映されたメッシュデータですが、Inspireの場合はパラメータ付きのCADデータです。
    このデータをParasolid,STEP, IGES,などの形式に出力が出来ます。
    なお、パラメータの値だけを従来のCADソフトウェアにも反映させることも可能です。したがって、手間いらずです。

したがって、高速SimSolidソルバーと組み合わせることで、膨大な数の変数を駆動させて、最適な寸法値を求めることができます。
詳細は以下動画をご覧ください。

製造性解析

Inspireでは簡易鋳造解析(鋳造欠陥解析)、簡易プレス解析(板厚減少解析)、金属3Dプリンター解析(Inspire Print3D)を実行できます。
また、Inspireの各ファミリー製品を使用することで、様々な解析を実行可能です。以下の製品があります。
鋳造(Inspire Cast) 板金プレス(Inspire Form) 射出形成(Inspire Mold) 押し出し成型(Inspire Extrude) ポリウレタン発泡成型(Inspire PolyForm)


Python API

PythonAPIをもちいて独自の機能を実装することや、プロセスの自動化が可能です。
500以上のサンプルコードを備えているため、簡単に始めることができます。

また、開発環境が統合されており、スクリプトを実行しながら実装できます。

さらにUIの作成ツールがあり、簡単にUIを作成することができます。

Inspireを用いた構造設計のプロセス変革

まず、Inspireの設計段階での最適化の使い分けは以下のようになっています。

したがって以下のようなプロセスで、設計の初期段階においてより早く最適な形状を導き出すことができます。

  1. 構造解析や、機構解析で元形状の性能や物理現象を把握
  2. トポグラフィー最適化、トポグラフィー最適化で概念設計を行い、最適な初期形状を導出
  3. 豊富なモデリング機能により、形状の詳細を決定
  4. 板厚最適化や設計探索機能により詳細な板厚値や寸法値を決定
  5. 再度、構造解析や機構解析で問題ないか確認
  6. 製造性解析を実行し、製造性を確認

上手くInspire を使用することで、確認解析がいらなく、製造性まで考慮した状態で出図まで高速にもっていくことができます。
出図までの時間が減ることで、図面にかける時間を増やすことができます。また、後工程の時間を確保することや、開発のリードタイムを減らすことも可能です。

実際の設計サイクルとしては以下のような例が考えられます。



また、HyperMeshやSimSolid、MotionViewにデータを受け渡しさらに高度な解析設定を行うことも可能です。
設計者にとって必要な機能がそろっているInspireをうまく利用するために以下の情報をご活用ください。

お役立ち情報

  1. 定期トレーニング
    Inspireの入門コースを実施しています.
    構造解析,最適化に特化した内容になっております.
    お申し込みや開催日の確認はこちらから→Inspire 入門コース
    また,トレーニングの録画はこちらで公開されています.→Inspire 2022.1.1 入門 トレーニングビデオ
    (Altair oneのログインが必要です。)

  2. ヘルプ&チュートリアル
    print3Dや流体解析をご利用の際はぜひヘルプをご参照ください。
    ヘルプ
    チュートリアル

    左上からバージョンを変更できます。



  3. Altair community
    定期トレーニングでは取り扱えなかった便利な機能などを説明動画とモデルで紹介しています。
    弊社からの投稿はナレッジをご確認ください。
    Inspireのナレッジ
    Inspire motion(機構解析)のナレッジ

    以下に注目のトピックスを記載します.
    Inspire OptiStructソルバーのメッシュ生成についてはこちら→Inspireのメッシュ作成について
    Inspire SimSolidソルバーに関してはこちら→InspireのSimSolidソルバーを使用する際の注意点
    機構解析はこちら→MotionSolveを使い始めたいときは
    機構解析のトラブルシューティングはこちら→接触計算を上手く行うには
    設計探索のチュートリアル→Inspire と SimSolid のコラボで設計探索が大変身近になりました