材料特性の算出に、素材の大きさが影響するのか、実際にテストしてみましょう。


はじめに

結論から言うと、影響ありません。もともと材料特性とは大きさに無関係だからです。

おそらくこの記事に行きついたということは、何か考えがこんがらがってしまってるのだと思いますので、私が下手な説明をする代わりに、実際に素材の大きさだけ変えて、材料特性が変わるのかどうかを、テストして、その結果を見ていただこうと思います。

 

粒子モデルでテスト

以下の粒子モデルでテストします。まず MultiScale Designer で一通り済ませた後、MultiScale Designer が作ったユニットセル FEM モデルを 1000倍して、同じことを行ってみます。なお、一つ一つの作業の説明は行わないので、MultiScale Designer の作業方法を知りたい方は、次の演習書の 3節を行ってみてください。

https://community.altair.com/community?id=kb_article_view&sysparm_article=KB0113632

 

作業、設定内容

粒子モデルで 50% の体積率:

 

各素材の線形特性:

 

マトリクスの非線形特性:

 

粒子は線形として扱う:

 

5% の引張試験も行う:

 

どのような結果になるのかは、あとで 1000倍したものと併せてお見せします。ここでは、まず、どのように 1000倍のモデルを作ったのかを説明します。

 

一通り実行を終えると、次のフォルダに _mesh.fem ファイルができています。

 

このモデルを HyperMesh に読み込んでみると 1辺が 1mm でした。

 

これを 1000倍してエクスポートし、MultiScale Designer の自作ユニットセルとして読み込み、全く同じことを行いました。自作ユニットセルの使い方は次の記事をご覧ください。

https://community.altair.com/community?id=kb_article_view&sysparm_article=KB0122324

 

 

利用したファイルのダウンロード

MultiScale Designer で一通り行う設定ファイル: particle.mic

1000倍したメッシュ: particle_mesh_x1000.fem

自作セルの場合、ファイルパスの問題で .mic ファイルがそのまま動かないため、先ほどのリンクを見ながら、ご自身で、自作セルに置き換えてみてください。

 

結果比較

線形特性: 

 

5% 引張試験:

 

線形特性も非線形を含む 5% 引張試験も全く同じ結果になっています(数値誤差はあります)。

 

まとめ

材料特性の算出に、素材の大きさは関係ありませんでした。

 

アルテア公式製品リンク

https://www.altairjp.co.jp/multiscale-designer/

 

お問い合わせ先

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